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優秀な人の力を発揮できるように

この話は至極もっとも。
ただし、例が極端すぎてネガティブな反応が多いのかなぁ。

従来のソフトウェア工学が決定的に間違っている点 - kwatchの日記

最後にもう一度。高度な仕事になるほど個人に依存するのは避けられないし、属人性を排除すべきではない。属人性を排除して各人の能力を均一化して扱おうとしたソフトウェア工学は根本的に間違っている。

プロジェクトで優秀(だと思われる人)にアーキテクトっぽい仕事を任せたり、共通部品を作らせたりして整備した後に、それ以外の人にサポート、例えばドキュメント作成や大量生産系の仕事を任せる、なんていうのは普通にプロジェクトマネジメントとして考えると思う。
逆にこれすら考えておらず、それでうまくいったプロジェクトを見てみたい。
うまくいったとかいっていても、実はOSSのプロダクトやフレームワークなどを活用していてそれで生産性があがっていたりして。それはOSSを作った優秀な人の仕事の上に成り立っているんだけどね。

とはいっても理想は遠く、本当に優秀な人をピックアップするのが難しかったり、本当に優秀な人は請負のソフトウェア開発などやらない人だったり、自動化で大量生産を行うことの難易度が高すぎたり(単純に能力が足りないのかも)ということはあるだろう。
それでも、以下のどちらの世界を目指すのが良いのか?というサジェスチョンが元ネタの議題ではないかと思う。

  • できるだけ属人性を排除し、誰が入れ替わっても事業が存続していくようにしたい。
    そのためには、みんなが均一な能力を発揮し、誰が入れ替わってもうまくプロジェクトが進むような仕組みが必要
  • できるだけすばらしい成果を出したい。
    そのために、優秀な人が最大限の力を発揮し、高度な成果を達成できるような体制が必要

このどちらが正しいと思うかは、ソフトウェア開発の仕事をどちらの仕事ととらえるかにかかっていると思う。

  • 車の組み立て工程
  • 車のコンセプト設計、デザイン

前者の仕事は、職人的な部分もマニュアル化し、流れ作業でスムーズに作業が進むようにする。多少の能力差も最終品質に影響を与えるほどではないという認識になりそう。
後者の仕事は、単純にマニュアル化できない。主査など主要なメンバーの能力に依存するが、どんな人物を大事な役割に登用できるかが鍵という認識になりそう。

これは、ここに書かれている話しと同じ。
まつもとゆきひろ氏が語る「ビューティフルコード」セミナーに行って来た - Slow Dance

コードが工業製品と勘違いされているために、「ソフトウェアの生産」は車の生産ラインのように扱われることがある。

しかし、ソフトウェアは本質的には情報なので、流れ作業は0に等しく、生産ラインのような作業はない。実は、ソフトウェアの生産は車の作業工程でいう「設計 = デザイン」の部分にあたる。車を設計する時には、原寸大の粘度を削って車の形にする。そして、それが美しいとか議論されて最終的なデザインに落ちる。

では、SIという仕事はどっちなのというと、どちらかというとまつもとさんの言っていることが近しいのではないのと思う。
それはソフトウェア開発(SI含む)は本来クリエイティブで高度な仕事であり、つまり属人性を排除しきれないことを意味し、kwatchさんの言っている方向は正しいと考えられる。
少なくも私はそう思う。

なんとなくもやもやして、この辺の考えを整理しようと思いながら放置してたんだけど、現実世界にあわせて実にうまく説明している文章を見た。この人の話しはいつもうまく整理されていて参考になる。

不確定性を受け入れ突出した人材の力を引き出せるのが良い組織 - アンカテ

つまり、これからの組織のマネジメントは、

1. 属人性を排除した組織としてのパフォーマンス(業者と折衝して2億円を8000万円くらいにできる組織)
2. 組織内の突出した人材を活用したパフォーマンス(超属人的なスキルで2億円を820万円にする個人を中心にしたチーム)

の組み合せになるのではないでしょうか。

このニュース(見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること:ITpro)の話しだけど、これはすごく納得できる。
このニュースに対する論争の中で一番しっくりきた。

若干違う趣旨のことを言っている気もするけど、kwatchさんのいっていることと近いのではないだろうか。

こういうマネジメントを考えられる組織は強くなるだろうな。

追記
元ネタではSIではなく、ソフトウェア開発の話しをしていたが、SI業界大手はソフトウェア工学好きに見えるし、反論もSIっぽいプロジェクトを意識したものが多そうだったのであえて混同して記述しています。

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